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アスタリスク IP-PBXを導入 (2) - MINI100をインターネットへ接続する

MINI100 IP-PBX にはWAN ポートとLAN ポートがあり、通常WANポート経由でインターネットに直接接続されている必要がある。つまり、グローバルIPアドレスが、WANポートに割り当てられないといけない。できれば、固定アドレスが利用できればベストであるが、そうでない場合は、DDNSを使い、ドメインネームが使えるようにする。
 

(MINI100 IP PBX は台湾のADSLラインに接続され、PSTN(公衆回線)とはGrandstream社のゲートウエーで接続している。)

MINI100 and PC connection for setting
(接続概念図)

LAN ポートも一個ついているが、これは、MINI100をアクセスルーター(ブロードバンドルータなどとも呼ばれる)としても利用する場合に使う。LAN ポートは最初にMINI100の各種設定をするときにも使う。

デフォルトのLAN ポートのIPアドレスが 10.19.20.1 と固定されており、またDHCPサーバーモードにもなっている。つまり、アドレスを自動取得できるPCをLANケーブルでそのままMINI100のLANポートへ接続することで、MINI100の管理画面に入る事ができるわけだ。当然ながら、PCのブラウザーで、http://10.29.20.1 を指定する。ログイン画面が現れるので、デフォルトのUser Name とPassword を入力する。

Login screen
(ログイン画面)


WAN ポートの設定をする。IPアドレスが固定のグローバルアドレスがある場合は、IPアドレスとゲートウエーアドレスを指定。ダイナミックアドレスの場合はWAn Port Mode をDHCPか、PPPoEに、プロバイダーとの契約に従って選択する。DNSのアドレスも同時に入力する。

setting WAN port
(WAN ポートの設定)


以後LAN ポートでMINI100を管理をする場合は、LAN側のIPアドレスも設定する。WANポートで常に管理する場合は、LANポートへはなにも接続せず、LAN ポートの設定も不要だが、その場合は、System > Firewall Setting において、Disable Web Management from WAN のチェックをはずす。デフォルトはチェックがついていて、WANポート経由でMINI100の管理画面に入れないようになっている。WANポートから管理できるということは、外部からの侵入の危険性が増えるわけなので、パスワードの変更も必要である。 System > Change Password でパスワードを変更する。

Firewall Setting
Disable Web Management from WANのチェックを外す


内線番号を割り当てる

内線番号は実際に登録するIP電話機やソフトフォーンに内線番号を振り当て、その番号をMINI100へ登録する場合と、携帯電話やSIPとランク経由で、外部のDDI番号と接続する場合、また複数のMINI100を連結して使用する場合に内線を割り当てる場合などがある。

まず、実際のIP電話機へ内線を割当ることを説明する。例えば、1台目のIP電話機の内線を300番としよう。管理画面で設定するには、IP PBX > Extensions で内線の一覧表示のページが現れる。まだ内線をなにも定義していないので、リストはブランクのままである。画面下のAdd を押して、内線作成のページに移動する。

内線番号は、Extension のところへ、通常は数字のみで入力。ここでは300と入力。パスワードも設定。このExtension とパスワードの組み合わせはIP電話機やソフトフォーンを設定するときにも同じ組み合わせが必要となる。Outbound Caller IDはコーラーIDとして、受信者へ発信者通知として、表示されるものである。内線番号のままでも良いが、担当者の名前など文字であっても構わない。受信側のIP電話機が日本語表示に対応していない場合は、ローマ字か英単語にする。パスワードはこの例のように簡単なものでなく、複雑なものにしよう。

Creating Extension numbers for MINI100
(内線番号を作成する)


Voice Mailは、この内線番号の所有者が不在のとき、着信した通話のうちボイスメールをメッセージとして、MINI100が保存した音声データーの転送先のEmail アドレスを指定する。但し、SNTPサーバーの設定をしないとEmail への転送は有効にならない。

Maximum of Voicemailは、MINI100が保存できる最大のボイスメールの数のことであり、No Limitという選択もあるが、MINI100の内部作業メモリーが一杯になると記録できなくなる。

Audio Codec であるが、出荷時の標準IVR (音声自動応答)がG.711コーデックを採用しているので、ここでもAudio CodecはG.711-ulaw かG.711-alawを選択する。

最低限の設定として上記が決まれば、内線番号をIP電話機で使えるようになるので、Applyボタンを押してセーブする。MINI100はIP PBX であるから、煩雑にリブートしたり、リセットをせずに、内線増設、削除などは実行できる。リブートが必要なのは、WAN/LAN アドレスを変更したり、ファームウエアを更新したりした場合など、特殊な時にのみ必要である。

このまま必要な内線番号をさらに増設していく。2台目のIP電話機はハードフォンでなく、ソフトフォンとするが、設定は特に変わる事は無い。ここでは、内線400を増設しておく。

すべての内線の作成、設定が終わったら、WANポートを正しく、ルータ(またはADSLモデム)とLANケーブルで接続し、MINI100の電源を入れ直す。30秒くらいで、利用できる状態になるはずである。正面パネルの Pwr、 Sip、 Wan (LAN ポートを接続していればLanも) の各LEDインジケーターがすべて点灯しているはずである。

MINI100 front panel

IP電話機の設定

IP電話機 VP5000

IP電話機の設定はSIPモードで行う。IP電話機の管理画面で、ユーザ名に内線番号、この例では300を入力する。SIPサーバー、Proxy サーバーのアドレスに、MINI100を接続したグローバルIPアドレス、またはドメイン名 (DDNSを使った場合はかならずドメイン名)を指定する。今回はIP電話機能の他にPSTN回線とも接続できる、VP-5000 IP電話機を使用した。

通常のオフィスはグローバルアドレスが有り余っているはずがないので、各IP電話機はNAT (ノンマスカレード アドレス トランスレーション) の中のプライベートアドレスが割り当てられていることだろう。その場合、所謂NAT越えの問題が発生することがある。問題としては、音声が片側しか通じないとか、外部からそのIP電話機の内線がみつからず、オフラインと看做されたりする。そういう場合は、ルーターのuPNP機能をつかったり、外部のSTUN サーバーを使う必要がある。

今回は、STUNサーバーを設定する。外部のSTUNサーバーとして、SIPPHONE のサーバーを借用した。そのアドレスは、 stun01.sipphone.com である。

IP電話機側の音声コーデックもG.711が使えるようにする必要がある。日本ではG.711がIP電話の世界では事実上標準なので、日本で売られている殆どのIP電話機やATA (アナログテレフォンアダプター)はG.711をサポートしているはずである。

二つ目の内線として番号作成が済んでいる400番を、ソフトウエアのIP電話機として評価の高い、Zoiper 2.0 というソフトーフォーンで利用する。Zoiper は対応するプラットフォームが ウインドウズだけでなく、LinuxやMac OSXへも対応しているし、無償版と有償版があり、実験的な導入には無償版を利用し、動作の検証を済ませてから多機能の有償版にするなどの選択肢もあり、とても便利である。日本語にも対応している。

Zoiper 2.0 Softphone
 (ZOIPER 2.0 ソフトフォーンに、内線400番を割り当てる)

Setting on Zoiper 2.0
(Zoiper 2.0 に内線番号を設定)


STUN server
(Stun サーバーを設定)


設定が済み、IP電話機がすべて、オンラインになることを確認しよう。

MINI100の管理画面を、開き、IP PBX > Extensions のページを開いてみよう。内線300と内線400、そして、後で説明する2台目のMINI100を連結して使うための内線666がすべてオンラインになっていることが分かる。

ONLINEの状態
(各内線の状態)


内線同士で通話を実験

内線400のZOIPER 2.0 ソフトフォンで、 300とダイヤルすると、内線300の割り当てられているIP電話機 で呼び出し音が鳴るはずである。これで、めでたく、互いに通話ができるはずだ。ここで音声が聞こえなかったり、片側の音声が不通だったりする場合は、STUNサーバーの設定や、音声コーデックがMINI100かIP電話機側で正しく選択されていない(G.711)などの可能性がある。

Zoiper ext 400
(内線300をZOIPER 2.0 ソフトフォンから呼び出す)

VP5000 内線300
(IP電話機がリングし、内線400から呼び出しがあることが表示されている)

すくなくとも、これで、世界中どこでもインターネットが使える環境であれば、内線同士で無料通話が可能になる。MINI100 IP-PBX、IP電話機(内線300)、Zoiper 2.0 が立ち上がっているPC (あるいはMacで内線400を設定) は同一の場所に設置する必要は全然ない。例えば、MINI100は東京、内線300は台北、内線400はニューヨークへ設置したとしても、いっこうに構わない。内線番号は最大60個まで登録できる。実際は、転送用やゲートウエー(PSTNと接続するために使用)や、複数のMNI100の連結用に内線番号を保留しないといけないので、60 個をすべて、IP電話機で埋めてしまうことはできない。また同時通話(コンカレント通話ともいう)は15通話まで可能だ。内線同士、あるいは内線と外線など、同時に通話できるリミットが最大15までである。SOHO や社員数が20-30人程度の規模の事業所なら業種にもよるが、一般的には充分であろう。

さて、このままでは、PBXの外線に相当する、PSTN (日本ではNTTの固定電話が代表的なもの)やSIPトランクラインへの接続ができない。全世界の何億の人々からの電話を受けられないし、発信もできない。その辺りの設定方法を今後説明していこう。

続く...

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